レベル(スケール不詳)スパイ船“ボルガ” 
(1970年初版)



全長30センチほどの旧ソ連船籍漁船ボルガ号。
物好きもいいとこで、僕はこのプラモデルを今までに都合2個買っています。
何に惹かれたのか自分でもよくわかりませんが、何しろ中学生の頃、この箱絵を店頭で見たときのインパクトはかなりのものでした。漁船といいながら、何かしらミステリアスで、正体不明といった面白さがありました。




そうです。この船は、北方での遠洋漁業に使われるトロール漁船を装いながらも、その正体は旧ソ連軍情報部に所属してスパイ活動を展開する「情報収集船」なんです!

今で言うならば「不審船」。
世界広しといえど、不審船のプラモデルを発売したメーカーなんて、レベルだけではないでしょうか。

ちなみにこのキット、2個買った……と書きましたが、もうひとつは88年頃にパカパカと組み立てて、当時仲間たちと撮っていた自主製作8ミリ特撮映画のミニチュアに使用しました。
自主映画『目覚めよと呼ぶ声あり』の湾岸コンビナート地帯のシーンです。
あの港には、スパイ船が係留されていたんですね(笑)




社会情勢やその歴史に疎い僕には、こんな船が実在したのかどうか、わかりません。
しかしレベルの説明書には「米海軍の水中発射型巡航ミサイル“ポセイドン”の初の発射テストがこの漁船に妨害されている。射出されたミサイルの保護用耐水性素材の破片をロシア船が奪取しようとした」……といった趣旨の解説が掲載されています。




もういちど、箱絵をじっくり見てみましょう。
ボックストップに踊る“SPY”の文字。
鉛のような海。
赤とオレンジを塗りたくったような空を乱舞する鳥影。
薄汚れた船体。
舷側に描かれた船員は少しうつむき加減で、ただの「影」としてしか描かれていない……ムード満点ではありませんか。




箱の側面には、キット内容の紹介として「2Russian Spy crew figures in
fishermen 's slickers」の 一行が……。

どれだ? どれが「らっしゃんすぱい」ナノダ? とパーツをよく見ると……

あーっ、いるし! 身長10ミリほどの「寒い国から来たスパイ」が二人、着ぶくれしたスタイルでランナーにチョコンとくっついています。

プラモデルは「歴史を写す鏡」でもあると思っています。冷戦時代には、普通に暮らしている人々が知り得ない水面下での熾烈な戦いが展開されていたのでしょう。そんなところにまで目を付けて面白いアイテムを発売するプラモデルメーカーのバイタリティーに、ただただ脱帽するばかりです。

ちなみにこのキット、現在では箱絵や組み立て説明書を変えて、ごく普通の漁船のプラモデルとして発売されています。
冷戦構造の崩壊した今、キットも「平和な船」に生まれ変わっているのですね。

(文責:TAC宮本)


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