プラモデルは1936年頃にイギリスで生まれたと言われています。
日本には1955年頃から流入し始め、その数年後には国内メーカーの努力によって
日本初のプラモデル製品が登場しました。
そして今や、日本は世界に冠たるプラモデル生産大国に成長しているのは
皆さんご存じのとおりです。

……自分の手を動かして、自分なりの工夫を凝らしながら組み立てていく、
楽しくて精巧な模型、プラモデル。
非常にノスタルジックな味わいのある趣味ですが、単に懐かしいばかりではなく、
今でも老若男女さまざまな人々が“現在進行形”で楽しんでいる奥行きの深い趣味で、
この趣味一筋数十年という人も大勢います。

プラモデルは「歴史を写す鏡」でもあります。
その時代に注目を集めた最新メカニック、
話題となった建築物や人物……ありとあらゆるものが、
その時代性を反映する楽しいアイテムとしてプラモデル化され、
多くの人々に親しまれました。

そのプラモデルが発売された時期を調べ、実際に作ることによって、
その時代の“香り”や“空気”も体感する事が出来ます。

そして、ユーザーがプラモデルへ求めた、
その時代のトレンド……より複雑な動きを見せるものへの挑戦、
より精密な再現への挑戦など……このような多くの要望に応えるために
模型メーカーが努力してきた設計・開発・生産技術の進化も見逃せません。

ひとつのプラモデルを作ることによって、
本当にいろいろなことを発見できるのです。


「あっ!これは小学生の頃に作ったことがあるヨ!」

「子供の頃はお小遣いが足りなくて買えなかったけど……
あれはこんなキットだったのか!」

「えっ!こんなプラモデルがあったの? 知らなかった!」

……そんなことを考えながら、この博覧会場の散策を楽しんでいただけたら、
これ以上の喜びはありません。




ひとくちにプラモデルの趣味といっても、いろいろな楽しみ方があります。
そんな中でも、貴重なキットを数多く蒐集し、
古い品物でも新品同様のコンディションで丁寧に保存している
「コレクターさん」と呼ばれる人もいます。

残念ながら、このサイトの運営スタッフには熱心なコレクターは居りません。

みんな、長い年月この趣味を続けてきた結果、たまたま手元に今となっては珍しい、
そして懐かしい品物がけっこう集まってしまった……という人ばかりで、
普段は買ってきたお気に入りのキットを片っ端からバンバン作って
楽しんでいるという仲間です。

そんなわけで、このサイトでのキット紹介方法はメーカー別や時代別などで
キチンと整理されたものではなく、我々が「これは面白そうだ!」「これは想い出に残っているなぁ」と
感じたものを、お気軽に、そしてランダムに紹介しています。

ですから、資料的な価値は少ないかも知れません。
むしろ、ナニが飛び出すかわからないような
オモチャ箱的空間としてお楽しみいただければと思います。

特に若い世代の皆さん……
近年の、驚くほど高品質の製品に慣れ親しんでいる皆さんには、
温故知新の意味も含めてこのサイトで紹介しているキットをご覧いただき、
時代の流れや模型メーカーの皆さんが人知れず続けてきた
努力にも目を向けていただけると幸いです。

また、このサイトで紹介するキットは原則として
「作っていない状態」でご紹介することとしました。

プラモデルは、作り手が手軽に自分の個性を発揮できる趣味です。

品質が管理された大量生産品でありながら、
作るときのチョットしたコツやクセの違い、塗装などの仕上げの方法の違いによって、
同じプラモデルを10人が作れば、まったく違った味わいのある
10個の「作品」が出来上がるというのがプラモデルという趣味の面白さです。
ですから、ここで我々の手で完成させた「作品」を紹介すると、皆さんの記憶の中にある、
そのプラモデルの「本来の姿」や「今まで持っていたイメージ」と違うものに
なってしまう可能性があります。
そこで、まだ手を付けていないマッサラな状態をご紹介することで、
その当時の想い出に浸っていただけるように、
あえて完成品の画像を積極的に掲載することは避けました。

でも……私たちも熱狂的なプラモデルファンです。どうしてもガマンできずに
「作っちゃった!自分の作品をみんなに見てほしい!」と思うこともあります。
そんなときには、コッソリと完成品……「作品」の画像を掲載したり、
またスタッフ各個人が運営しているサイトの完成品のコンテンツへの
リンクを貼ったりして対応したいと思っています。

最後に……。
このサイトでは、今となっては懐かしい、
ともすれば稀少と言われる品々も扱っています。
それらは、長年この趣味を続けてきた私たちにとって、大切な大切な宝物です。
こちらで紹介させていただいた後は、
じっくりと、丁寧に作って楽しもうと考えている品々です。

そんなわけで、売買や交換のお申し出などは、
誠に申し訳ございませんが御遠慮させていただきたいと思います。

―――― このサイトの内容が、今後皆さんが自分でキットを見つけたり、
またその内容を調べたりするときのほんの少しでも参考になれば幸いです。

「TAC」










































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